中古と新築、それぞれのメリットとデメリット
最後に「中古」、そして「新築」のメリットとデメリットをまとめておきましょう。
一般的に、「再販物件」「クリアランス物件」「新古マンション」を含めた「中古マンション」は、新築マンションと比べて価格が安いことが大きなメリットとなります。
特に、中古マンションを個人から購入する場合は、建物部分の消費税がかかりません。そのため、増税のタイミングでも焦る必要はありません。リフォームがしやすいことや、現物や管理状況を見て検討できること、近隣の入居者の様子を確認できるというメリットもあります。
デメリットとしては、
・借入期間の制限や金利優遇の対象にならない場合がある
・公庫融資限度額に差がある
など、ローンを組む上で不利なことがあげられます。
耐震性やセキュリティへの不安、設備やデザインの陳腐化、不動産会社に仲介手数料を支払うのはデメリットといえます。
いっぽう、新築の一番のメリットは、最新の設備やデザインの新しい物件に最初に住めるということでしょう。
しかし、立地が限られたり、高い価格や修繕積立基金を一括で支払うなど、とにかくお金がかかることが一番のデメリットです。一覧表にすると以下の図表の通りです。
大学在学中の2001年に実施された第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。大学卒業後、マンション管理会社勤務を経て、マンションの総合コンサルタント事務所「オフィス・日下部」を設立。女性ならではの視点で、マンション管理組合の相談や顧問業務にあたる。また、数多くの調査を通じて、中古マンションの実態に精通する。
これまでに「東京都マンション管理アドバイザー」「東京都立城南職業能力開発センターマンション維持管理科 専任講師」「一般社団法人マンション管理員検定協会 理事長」「一般社団法人マンション建替支援機構 副理事長」などを歴任。
マンションやマンション管理に関して、セミナー講師やコーディネーター、テレビ・ラジオ番組などにも出演多数。また、マンション好きが高じて、個人投資家としても区分所有物件を都心部中心に複数保有している。
主な著書に、『マンション理事になったらまず読む本』(実業之日本社)、『マンション管理組合・管理会社 これからのマンション管理ガイド』(ぱる出版)、『マンションの設備・管理が一番わかる』(技術評論社)、『目指せ! マンション管理員』(住宅新報社)などがある。