長時間労働、パワハラ、セクハラなどのハラスメントと、労働環境をめぐる課題は多い。人手不足の現在、働きやすさはリテンションを高め、優れた人材を採用するうえで重要なポイントだ。“働きがい”をキーワードに35年にわたって調査を続けているGreat Place to Work InstituteのCEOが、ランキング上位の企業と語った。

従業員が求めているのは
「コネクション・安全・公正」

ワークライフバランスが気になるのは「自分の仕事に意味がない」と感じているから左からGreat Place to Workのブッシュ氏、Quicken Loansのマロイ氏、CarMaxのムハンマド氏、Workdayのシスコ氏

 Great Place to Work(GPTW)は、ランキングに参加する企業を対象に従業員と管理層の2つの視点から働きがいを調査して順位を出す機関だ。現在世界58ヵ国から6000社が参加、500万人の従業員を対象に調査しており、その結果は「Fortune」に発表している。日本でも、2007年から日本拠点の企業ランキングを発表している。

 人事に関するクラウドアプリケーション企業Workdayのイベント「Workday Rising」に登場したGreat Place to WorkのCEO、マイケル・ブッシュ(Michael C. Bush)氏は、これまでの調査から言えることとして「従業員はコネクション、安全、公正を望んでいる」と伝えた。

 コネクションは、リーダーと部下やチーム間の結びつきだ。「人は誰もつながっていたい。つながりが信頼になり、気にかけてもらっていると思う。これが、企業にもっと貢献したいという気持ちにつながる」とブッシュ氏。ケアされてもらうことで自分が価値ある存在と感じることができる。実際、「従業員はボーナスよりも、ケアされることを求めている」とブッシュ氏は言う。

 続く安全は、コネクションの延長にある。物理的な安全はもちろん、心理的、感情的にも安全を感じることはとても重要だという。安全と感じるので、新たな挑戦(イノベーション)ができると分析する。

 3つ目の公正は、公正に扱われているかだ。性別、年齢、国籍、性的指向などに関係なく評価されたいと従業員は思っている。

 これらにより、信頼が生まれる。ブッシュ氏によると、信頼は働きがいのある会社を評価する上で重要な要素という。