「アクセラ」か「マツダ3」か
マツダの新車にふさわしい名前とは
かつて「マツダスパイラル」などという言葉があった。以前、マツダは新車の値引き率が高く、リセールバリュー(再販売価格)が低いので、他社ディーラーでの下取りが悪く、ユーザーは結果的にマツダ車に乗り続けてしまう、というネガティブなスパイラルという意味だ。
しかし、今は違う。「スカイアクティブ テクノロジー」と「魂動デザイン」の採用以降、これがマツダという共通のメッセージを強く発信する感性、情緒に訴えかける価値の高いクルマに生まれ変わった。販売店改革も断行。高級車ディーラーの風格を持つ新世代店舗を導入し、値引き販売を止め、クルマそのものの良さを顧客に理解してもらう製販一体の改革を推し進めたのだ。
その結果、「マツダは値引きはないけれど良いクルマ」というイメージが定着した。ユーザーにとって今日でもマツダスパイラルがあるとすれば、「いい車に乗り続けたい」という意味でのポジティブ・スパイラルであろう。
そんなマツダ車の名前が、最近自動車誌を中心に騒がしく取り沙汰されている。海外で発表された「マツダ3」(日本名アクセラ)について、日本でも「マツダ3」という名称になるのではないかというものだ。
海外のマツダ車は「マツダ3」「マツダ6」のように、車種を数字で表している。一方、日本ではそれぞれ「アクセラ」「アテンザ」のようにマツダブランドとは別のサブブランドを有している。欧州車にはアウディの「A4」「A6」や、BMWの「3シリーズ」「5シリーズ」のようなニューメリックネーム(数字による車名)や、メルセデスの「Cクラス」「Eクラス」のようなアルファ・ニューメリックネーム(アルファベットによる車名)が採用されていることが多い。