世界屈指の長期投資家であるカナダ・ケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)のトップが、株式投資家や世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に集まった金融エリートにこんな警告を発した。投資した企業に対してオーナーらしい行動を示すべきだ。さもなければポピュリストが近代資本主義に反撃しても仕方がない。運用資産2700億ドル(約29兆円)の公的年金基金であるCDPQのマイケル・サビア社長兼最高経営責任者(CEO)は、金融が企業投資の支援者という本来の目的を忘れてしまったことを懸念する。資本家は単なる観光客のような存在と化し、投資先企業にほとんど注意を払っていないというのだ。この意見は的を射ている。だが一方で、近視眼的な株主がよく知りもしない株式を思惑買いすることへの不満は、市場が誕生して以来ずっとつきまとっている。
金融は何のためにある? ダボス会議の議論を検証
企業投資を後押しすべきとの主張は正しいのか
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