米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げや債券の保有残高縮小について慎重な姿勢を維持するだろうという投資家の期待感が、1月の相場回復を後押しした。こうした期待感は、注目される雇用統計を控えて今週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で再び試されることになろう。投資家は昨年、FRBが債券保有残高を減らすことで相場のボラティリティー(変動性)が高まりかねないと懸念していたが、それが金融市場にどのような影響を与えるかについては依然として不明確だ。前週末の25日には当局が想定より早期の債券資産圧縮の終了に傾いているとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたことで、株価が上昇した。FRBは金融危機後に経済のてこ入れを狙って国債とモーゲージ債を買い進め、保有残高はピーク時に4.2兆ドル(約458兆円)と、危機前の約5倍に達した。このため市場に出回る安全資産が減り、投資家はよりリスクの高い資産に資金を移した。