投資家は米連邦準備制度理事会(FRB)から望み通りのものを手に入れた。だが残念なことに、株式市場にとって重要な別の2つの要素、つまり世界貿易の伸びと中国景気は、そこまで慈悲深くはないだろう。30日の株式市場は、FRBのハト派姿勢を好感して上昇した。31日も投資家にとっては安心材料が伝わった。1月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は2カ月連続で景況拡大と悪化の分岐点となる50を割り込んだものの、昨年12月からは改善した。サービスPMIは昨年6月以来の高水準となり、中国の個人消費は勢いを欠くものの、底割れしたとの見方は行きすぎであることが示唆された。また、急ブレーキがかかっていた中国の生産者物価指数(PPI)も、鈍化傾向が緩やかになっている。中国の過剰生産能力は、大手鉄鋼・セメント企業によるデフォルト(債務不履行)で国際市場に衝撃が走った2015~2016年の水準に比べれば依然として低いままだろう。
FRBからの贈り物、中国が「丸呑み」も
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