北京などでの大都市では住宅や生活コストが高く、昇給や昇進しないと結婚もできないし、結婚しても家族を養うことができない。そのため、残業代が出る企業などでは積極的に残業する人もいる。

 つまり、「残業=コストが無駄にかかる」という考え方が定着しなければ、前述のネットユーザーのような声は少なくならないのだ。

すべての人々に恩恵を与える
政策でなければ支持されない

 現政権の政策立案に当たっての考え方は、「すべての人々が発展の成果を共有できるようにする」というもの。ネットユーザーと専門家の指摘のように、「2.5連休」は、恩恵を受けられない職業も少なくなく、“不公平な政策”といえる。そういう意味では、恩恵を受けられる人とそうでない人との「格差」をどう埋めていくかが課題となる。

 ただ、中国の改革開放もそうだったように、中国では政策を試験的に実施してみて、問題点を洗い出して修正し、再び実施する。前述したように、この制度も一部の地方で先行実施されており、実行可能か、そして問題点はどこかといったことを洗い出していると見ることができる。

 また、中国の政策は「実情に基づいて策定する」という考え方だ。中国のような発展レベルにばらつきがある国では、おおまかな方針は全国共通だが、具体的なものはその地方などの実情に応じて決める必要があるからだ。

 現に、前述の休日調整制度に関しても、国は各企業の実情に応じて調整することを認めている。

 ただ、現在の中国は、改革が実情についていけていないという問題がある。「2.5連休」の問題もその1つだ。「働く者の権利が守られていない」「長時間労働をいいものとされている」といった問題が解決されない以上、このような政策を打ち出してもあまり効果がないだろう。

 この改革にはまだ時間が必要だと思う。