米国では過去最高のペースで風力発電や太陽光発電への投資が増えており、電力を買う企業がそれを後押ししている。環境に配慮する姿勢を消費者にアピールできるほか、コスト低下や優遇税制措置の恩恵を生かす狙いもある。

 コンサルティング会社ウッドマッケンジーによると、風力・太陽光発電に対する2018年の支出額は前年より13%増加し、160億ドル(約1兆7400億円)を突破した。2019年の伸び率はその2倍以上になる見通しだ。

 電力の買い手企業がこの伸びをけん引しているとアナリストは指摘。マーケティング戦略の一環で代替エネルギーへの支援を強調している面もある。

 ベルギーのビール大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)の「バドワイザー」にはブルーカラー労働者のビールというイメージがあるかもしれないが、2019年のスーパーボウル向けに制作されたCMは環境志向を打ち出している。映像では、バドワイザーでおなじみのクライズデール種の馬が引く駅馬車が米西部の景色の中を走り、背景には現代的な風力タービンが回っている。BGMはボブ・ディランの歌う「風に吹かれて」だ。

 アンハイザー・ブッシュは2017年、オクラホマ州に新設される風力発電所の発電能力298メガワット(MW)の約半分を購入する契約を結んだ。この契約で供給される電力量は、同社の米国での消費電力のほぼ半分に相当する。

 「われわれの消費者はこうした話題についてよく知っている」。アンハイザー・ブッシュ米国法人のサステナビリティ(持続可能性)担当バイスプレジデント、アンジー・スローター氏はこう話す。「彼らは情報に通じ、当社の製品に関わる企業に高い期待を寄せている」

次のページ

発想の転換

TOP