昨年夏、世界最大の指数算出会社MSCIが世界的ベンチマークとなっている指数に中国株を追加したことから、大量の資金が中国株に流入し、外資受け入れ増を狙う同国の計画を後押しした。複数の関係者によると、MSCIはそれまで、同社中国事業の抑え込みを図る同国政府から強い圧力を受けていた。広くベンチマークとされている新興国株指数に中国A株(中国本土に上場している人民元建て株式)を組み入れたMSCIの決定は、中国市場の頑健さや透明性について懸念する一部投資家に嫌気された。組み入れ以来、中国株もMSCI新興国株指数も下落している。だがMSCIや組み入れを支持した世界的運用会社の中国事業は拡大している。当局は昨年、MSCIの諸指数への連動を目指す中国の上場投資信託(ETF)9本(当時は1本しかなかった)を承認した。