中国景気の急減速を巡る警鐘が国際金融市場を動揺させて1カ月。投資家は足元、回復基調にある米株の最大の脅威として中国情勢を注視している。中国景気の変調を懸念した売りで、年初にはアップルなど主要企業が急落したが、米株は1月、数十年ぶりの大幅な上げを記録して終えた。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースの減速を示唆したことで、その後の株価値上がりを支えた格好だが、中国景気の減速と米中通商摩擦問題が、これまでの上げを再び帳消しにするとの警戒感がくすぶっている。中国の需要は、アップルなどハイテク大手や自動車メーカー、工業企業にとって不可欠だ。中国経済が想定以上に落ち込めば、その影響は世界全体へと波及する。アップルは1月、5.5%値上がりしたが、最高値をなお約28%下回る。キャタピラーや3Mといった製造業大手や、半導体大手エヌビディアなどのハイテク株の株価は、中国経済減速による足かせを指摘しながらも、足元では軒並み値上がりしている。