ましてや他人が書いた資料を使ってプレゼンテーションする場合、その資料の内容や書かれた背景などが腑に落ちていないと、実際に話す段階になって非常に苦労します。

 文字を読み上げるくらいはできるでしょうけれど、本当に聞く人に響くプレゼンテーションをするには、内容を深く理解することが必要不可欠です。なんとなく知っている状態と本当に理解している状態には、大きな違いがあります。

 例えば、手元に紙とペンを用意して、ドラえもんやトトロの絵を描いてみてください。意外なほど、上手に描けないはずです。でも、実際に絵を見れば、皆さんは「あ、ドラえもんだ」「これはトトロだ」とすぐに分かるはずですし、ときどき見かけるいわゆる「偽物」のドラえもんやトトロとの見分けもすぐにつくはずです。つまり、見て分かるレベルと、実際に自分で表現できるレベルには、ものすごく大きな差があるのです。

 他人の作った資料で話す場合には、その資料の背景も含めて調べておく必要があります。作成者が分かっている場合には、その作成者に資料の意図や使われているデータの元となるソース情報などを聞いておきましょう。分からないのであれば、自ら調べておいた方がいいですね。そうしないと、質問に全く答えられないでしょうし、自分が言ったことに責任が取れない状態になってしまいます。

自分がプレゼンする様子を
想像しながら資料作りできているか

 また、自分で作った資料に関しては、他にも注意が必要です。資料を作る際に、話している自分と脳内でシンクロさせていないと、いざ話す段階になって「これはいったい何のことだっけ?」と混乱しがちです。資料の1ページの中では理屈が通っていても、前後のページや資料と整合性が取れていなかったりすると、話に矛盾が生じます。こうなると、いざプレゼンで話す際に混乱して不安になってしまうのです。自分で作った資料ですから、他人のせいにもできないですし、質問に答えられなくても誰も助けることはできません。

 こうならないために必要なのは、「脳内で、自分が話している情景を思い浮かべながら資料を作成する」ことです。どういう論理展開で次のページに移るのか、話していることの裏付けになる情報ソースはどこにあるのか思い浮かべながら資料を作ることをおすすめします。そうすることで、「あ、この話もしようかな」とか、「この情報は必要なさそうだな」「これは根拠が薄いな」といった細かな気づきを得ながら資料を作り進めることができます。