ウゴ・チャベス氏は草葉の陰でクラクラしているに違いない。状況はあまりにひどく、チャベス氏がベネズエラに残した社会主義体制が国内外からの高まる圧力を受けて近く崩壊することも考えられる。さらなる屈辱は、「社会主義」という単語そのものが左ではミレニアル世代のハッシュタグ、右では学校でのからかい言葉になり下がったことだ。チャベス氏が認めていたであろうイデオロギー的な重みは消えた。一部の世論調査によると、米国の若者は資本主義よりも社会主義を好み、社会民主主義者を自称するアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員(ニューヨーク州)とバーニー・サンダース上院議員(バーモント州)は民主党の心をつかんでいる。一方、彼らは米国をベネズエラ化するとの批判をここぞとばかりに浴びせる向きもある。ドナルド・トランプ大統領は5日夜の一般教書演説で、ベネズエラの「社会主義政策」を非難したうえで、「米国は決して社会主義国にならない」と言明。共和党議員の拍手喝采を浴びた。大統領選への出馬を検討しているスターバックスの元最高経営責任者(CEO)ハワード・シュルツ氏は、大統領選に名乗りをあげたエリザベス・ウォーレン上院議員(民主、マサチューセッツ州)への献金を断った理由を聞かれ、「米国が社会主義に向かうべきだとは思わない」と答えた。
ベネズエラ崩壊で露呈、米政治家の偽社会主義論
批判する政治家も真の社会主義を理解せず
有料会員限定
あなたにおすすめ