「LaVie L LL750/SG」は大人気の中堅機種。すでに、実質11万円台で販売する店舗も出てきており、驚くほど割安になっている。 |
PCの価格下落が止まらない。2008年度上期は過去最高の出荷台数を記録しているが、出荷金額は減少している(MM総研のデータによる)。
世間では、その理由として「ネットブックによる低価格化」が指摘されているが、本当にそれだけが理由だろうか?
たとえば、一番売れているA4ノートの中で、特に定番と言われるNECの「LaVie L LL750」を例に挙げれば、ヨドバシ・ドットコムの通販で14万9800円の20%ポイント還元で販売されている(本記事執筆時点)。
高速なCPUに4GBのメモリーを搭載した機種だけに、毎シーズンPCを価格をチェックしている僕からすれば、これは「異常に安い」としか言いようがない。
ちなみに、1シーズン前の中堅A4ノートの中には、実質10万円を切るモデルさえ見つかる。「Office 2007」が標準で付属することを考えると、A4でもネットブックと大して変わらない本体価格なのである。
メーカーの担当者にヒアリングしても、「実はこの手のA4ノートの販売には、ネットブックの影響があまりない」という。ボリュームゾーンのPCは、ネットブックとは無関係に価格が下落しており、価格下落はなにもネットブックに限ったことではないのだ。
では、PCの価格が全般的に下落しているのは何故か? その理由は、2つ考えられる。
理由の1つは、CPUの進化が止まりつつあることだ。最近のCPUは、クロックを上げて高速化する性能アップに限界が見え始めた。その結果、心臓部の数を増やす方法で性能を上げている。これがデュアルコアやクアッドコアと呼ばれる製品だ。
ところが、現時点のOSやアプリケーションを使う限り、コアが増えたところで体感上の処理速度はあまり変わらないのが実情である。
2つめの理由として、メモリもまたしかり。いま主流の「Windows Vista」は32ビットOSであり、およそ3GB以上のメモリは利用できず、4GB以上にメモリを増やす意味がない。