今年も確定申告の季節がやってきました。会社員などが支払った税金を取り戻すことのできる唯一のチャンスですから、有効に活用したいものです。
昨年は、西日本豪雨、大阪北部地震や北海道胆振東部地震などの自然災害が相次いだことから、「雑損控除」や「災害減免法」という2つの制度の活用はぜひ知っていただきたいポイントです。
また、昨年の確定申告(2017年分)では、ビットコインなどの仮想通貨が話題になりましたが、昨年末に世界的に株価が急落したため、今年(2018年分)は投資で損を出してしまった人にこそ知っていただきたいポイントがあります。また、上場株式などの配当に関しては、確定申告を利用した課税方式の選択次第で、お得になるケースもあるので要チェックです。
そのほか、副業を認める企業が増えているので、副業収入の申告、あるいは民泊に伴う収入に関心を持っている方も多いかもしれません。
そこで今回は、今年の確定申告で押さえておきたい4つのポイントに絞ってお話しします。
【ポイント1】
自然災害で被災した人は、
確定申告で損失が取り戻せることも
2018年は、2月に北陸地方で37年ぶりの大雪、6月は大阪北部地震、7月には西日本豪雨、そして9月には北海道胆振東部地震など、甚大な被害を及ぼす自然災害が相次ぎました。ご自宅が被災して、大変な思いをされた方もいらっしゃることでしょう。
地震、台風、豪雪などにより家が破壊や浸水した場合、確定申告によって税金面での救済を受けることができます。それが「雑損控除」または「災害減免法」のいずれか有利な方を選び、確定申告する方法です。
「雑損控除」は、災害または盗難などで資産に損害を受けた場合に、損失の度合いに応じて一定額の所得控除を受けられるもので、課税所得が減額されるため税金が安くなります。住宅・家財のほか、通勤用の自動車、生活に必要な資産が対象になります。生活に通常必要ではない資産、例えば、別荘などの趣味や娯楽目的の不動産や貴金属などは、認められないので注意が必要です。
雑損控除の金額は、下記の2つのうち、いずれか多い方になります。
(1)(差引損失額)-(総所得金額等)×10%
(2)(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円
※「差引損失額」=損害金額+災害等に関連したやむを得ない支出の金額-保険金などにより補てんされる金額