医療費控除と社会保険料控除は
家族の中で収入の高い人が受けるのが正解!
前回の本コラムでは「年金生活者が確定申告をしないと大損する理由」と題して、リタイア後の確定申告の重要性をお伝えした。年金から源泉徴収される所得税の額は、自身で納めている国民健康保険料や民間保険料の控除が考慮されていない。
確定申告すれば、多めに源泉徴収された所得税の一部を取り戻し、翌年の住民税を安くすることができるのだ。年金生活者には現役時代のときのように「年末調整」の仕組みがないので、自ら行動を起こさないと大きな損につながることを知っておこう。
今回も引き続き、年金生活で知っておかないと損になる「社会の仕組み」と、その対応策についてお伝えする。
意外に知られていないのだが、年金生活者の確定申告では「使える控除」と「使えない控除」がある。医療費控除、社会保険料控除は、原則として同一世帯の家族は誰が使ってもいいことになっている。みなさんにとって、わかりやすい「医療費控除」を例にとって、控除の仕組みと節税効果を解説しよう。
医療費の負担が多い年は、医療費控除を受けることによって税金が安くなる。確定申告の際は、家族の医療費をまとめて、収入が一番多い人(=所得税の税率が高い人)が支払って控除を受けるのが正解だ。