欧州航空機大手エアバスが超大型機「A380」の開発に着手したのは2000年。このとき同社は座席数555の2階建て飛行機を「世界8番目の奇跡」などと宣伝した。ところが、この世界最大の旅客機は社内の機能不全を露呈したばかりか、企業が市場の動向を見誤ると大きな痛手を被るという典型的な実例になった。エアバスはこのプロジェクトに少なくとも170億ドル(約1兆8800億円)を投じた。今年末までの納入機数の目標を750機としていたが、売れたのはその半分にも満たない。。生産終了までには累計251機となる見通しで、同社が損益分岐点としている水準を1機上回る。ただしこの水準は、生産遅延で数十億ドルのコスト増を招く以前に設定されたものだ。最盛期でもA380がエアバス全体の年間納入機数に占める割合は5%に届いたことがない。
エアバス「A380」転落、期待の星からなぜ
誤算や社内の機能不全、生産体制にも不備
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