ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は20日、米国が欧州に中距離ミサイルを配備すれば、米国を最先端兵器の標的とする考えを示した。トランプ政権が中距離核戦力(INF)廃棄条約の離脱を表明したことを受け、核戦略を巡る米ロの緊張が高まっている。プーチン氏は、ロシアは米国との対立を望んでいないとしたほか、ロシアが先行してミサイルを配備することもしないと述べた。だが、米国が条約破棄を受けてミサイル配備に動けば、ロシアにとって「大きな脅威」となるとし、「同等の行動を取らざるを得ない」とした。また、米国が核軍縮に関する協議に着手するなら応じる構えを見せながらも、近く無人の原子力潜水艦を進水させる計画を明らかにするなど、条約破棄の撤回はないことを示唆し、新たな軍拡競争のリスクを高める格好となった。