米食品大手クラフト・ハインツの大胆なコスト削減策は失敗した。同社の経営陣には良い選択肢がほとんどない。2015年のハインツとクラフトの経営統合後、ブラジルの投資会社3Gから送り込まれた幹部は利益率を業界の高水準に押し上げることに成功した。だが傘下のブランドに対する過少投資が将来の成長を犠牲にしているとの批判もあった。批判は正しかった。米国事業の前年同期比オーガニックセールス(ポートフォリオの変更や為替相場の影響を除いた売上高)が、17年1-3月期(第1四半期)から6四半期続けて減少したのだ。21日発表の18年10-12月期(第4四半期)決算では、「クラフト」と「オスカーマイヤー」の商標を含む一部無形資産の減損処理費用として150億ドルを計上した。JPモルガンのアナリスト、ケネス・ゴールドマン氏は電話による記者会見で、同社のコスト削減戦略がブランドを傷つけたことを事実上認めた措置とも考えられると主張した。