国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」(国勢調査における世帯の類型)によれば、2015年時点で、「家族と一緒に住む世帯(いわゆるファミリー世帯)」は約1429万世帯ですが、「1人暮らし世帯」は約1842万世帯、「夫婦のみ世帯」は約1072万世帯です。
既に「1人暮らし世帯」と「夫婦のみ世帯」の合計数が「ファミリー世帯」数の2倍以上になっており、「1人暮らし世帯」のみでも「ファミリー世帯」数を超えています。
さらに2025年の予測では、「ファミリー世帯」は約1369万世帯と減る一方で、「1人暮らし世帯」は約1996万世帯と急増し、「夫婦のみ世帯」も約1120万世帯と増える見通しです。
数字ではなく、割合でも見てみましょう。「1人暮らし世帯」と「夫婦のみ世帯」に加え、「1人親と子の世帯(母子家庭、父子家庭)」を合わせると、2025年には全世帯の67.1%になると見られています。
今までのような「夫婦と子ども2人」の計4人が標準的な世帯とされていた時代はもう終わりました。生涯未婚率や離婚率の上昇、平均寿命が延びたことで配偶者に先立たれたシニアの増加などにより「1人暮らし世帯」が加速度的に増加しています。
無視できないのはシニア層の増加です。「広さを持て余す70m²以上のマンション」や「車やバスが必要な郊外・駅遠のマンション」の需要は、今後さらに減っていくでしょう。むしろ、車を使わずに生活できる都心・駅近の60m²は多くの人に必要とされます。