ドナルド・トランプ米大統領にいくらか功績があることは認めよう。同氏は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との個人的外交という未知の領域に飛び込み、あらゆる慣例を破った。それでも核戦争のリスクを軽減するための風穴は開いた。2回目の首脳会談を控えた今、問題は2人の友好的な態度が核のリスクを減らす具体的手段につながるかどうかだ。  トランプ氏の主張とは異なり、まだその糸口は見えない。ささやかな成果は外交面で出ている。米朝両国の当局者がほとんど数十年ぶりに対話している。北朝鮮は昨年、中国国境から北朝鮮に迷い込んだ米国人を通常のような金品強要を行わずに釈放した。