大金の入ったアタッシュケースPhoto:アフロ

金融業界が今、マネーロンダリング(資金洗浄)対策に躍起になっている。国際組織・金融活動作業部会(FATF)による対日審査を今秋に控えているからだ。11年前に受けた低評価を覆すべく、対応に追われる金融機関の現状に迫った。 (「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大、竹田幸平)

 2月22日、三菱UFJ銀行はマネーロンダリング(資金洗浄)を防ぐ態勢が不十分だと米通貨監督庁から指摘を受け、改善を図ることで同庁と合意したと発表した。制裁金はないものの、「改善できなければ、一部業務停止もあり得る重い内容」(関係者)だ。

 メガバンクですら、米国の厳重なマネロン対策基準の下では“不合格”。そうした現実を突き付けられた中、日本では地域銀行をはじめとした多くの金融機関が今、マネロン対策に目の色を変えて取り組んでいる。なぜなら、金融活動作業部会(FATF)という国際組織(下図参照)が今秋、日本のマネロン対策について審査に入るからだ。