「これさえあれば、「数字に強い人」になるのなんて、カンタンだ! 巨額マネーを動かす外資系投資銀行のエクセルノウハウを使ってどんなビジネスでも通用する万能スキルを手に入れる。大手総合商社、世界的メディア企業、金融機関、グローバルIT、巨大通信企業、外資系コンサルなど、多くの企業で採用されているエクセル人気講座を書籍化した『「それ、いくら儲かるの?」外資系投資銀行で最初に教わる万能スキル エクセルで学ぶ ビジネス・シミュレーション超基本』のエッセンスを紹介。

投資対効果とは何の数字?

 私はエクセルを使った財務モデリングセミナー、企業研修を開催していますが、日本、海外のベンチャーキャピタルと話をすることが多くありますが、彼らはベンチャー投資を検討する際、その収益計画(P/L)そのものよりも、その背景にある「投資対効果」を見ている傾向があります。この投資対効果とはどのようなものか解説します。

 たとえば以下の図表は同業のA社とB社の売上・費用・利益です。どちらが優良な企業だと思いますか?この2社は売上が同じですが、利益はA社のほうが大きい。違いは、広告宣伝費にあります。A社は1,000千円の広告宣伝費を使っているのに対して、B社は3,000千円を使っているため、利益が少なくなっています。

A社とB社の損益計算書

 では、この数字を見て「A社のほうが優れている!」といえるでしょうか。たとえば、B社の社長がこう言っていたらどうでしょう。

「いまは広告宣伝がうまくいっていて、効率的に顧客を獲得できています。売上につながるのは来年になりますが、今年のうちに積極的に広告宣伝に投資しています」

 つまり、この広告宣伝が売上につながるのは来年なので、今年はそのぶん利益が減っても問題ない、と長期的な視点で経営判断をしているわけです。ここまで聞くと、むしろA社は将来へのマーケティングを行っていない、来年はB社のほうが利益は大きくなるかもしれないな、と感じるのではないでしょうか。

 このようにP/L(損益計算書)の問題点は、「長期的なマーケティング投資対効果を判断するのがむずかしい」ということです。