投資対効果とはライフ・タイムバリューのことだった
投資対効果とは、1顧客獲得あたりのコストに対して、どれだけの長期的な売上を得られるか、ということです。この長期的な売上をライフタイム・バリュー(LTV)と呼びます。
たとえば、私は同じ携帯キャリアの携帯電話を長年使っています。高校生のころ、たまたまテレビCMを見て契約し、それから約20年使い続けています。仮に毎月1万円を払っているとすると、これまで私が携帯キャリアに払った金額(ライフタイム・バリュー)は、月額1万円×12ヵ月×20年=240万円となります。
逆に携帯キャリアの立場になると、テレビCMを打ったことで、240万円を払ってくれるユーザーを獲得できたということになります。これなら、費用が高いテレビCMでも打つ意味はあった=投資対効果は高かった、と言えるわけです。
このライフタイム・バリューを高めるポイントは、継続利用率です。顧客が継続的にサービスを利用して、お金を払い続けてくれるほどライフタイム・バリューは上がります。その結果、より大きなマーケティング費用を投資しても回収することができます。つまり、継続利用率を上げる→ライフタイム・バリューを上げる→マーケティング費用を増やす、というサイクルを回すことで、長期的に売上をますます増やすことができます。
冒頭のベンチャーキャピタルの話に戻すと、彼らは「このベンチャーに1億円を投資して、マーケティングに使えば、長期的には3億円の売上を生み出せるな」といった視点で投資の検討をするわけですね。