「手取りを増やす」ためには、税金の仕組みを知ることが早道。新刊『サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65』から、抜粋してそのエッセンスをご紹介します!

パートで働くときは
「2つの壁」だけ知っておく

妻がパートや派遣社員で働くときに迷うのは、夫の「扶養の範囲内」で働くかどうかです(もちろん、夫が妻の「扶養の範囲内」で働くというのも同じです。その場合は、妻と夫を入れ替えてお読みください)。

妻が夫の扶養に入っていれば、夫は給料からその分控除(=収入から差し引ける経費のようなもの)がされますし、妻自身も社会保険料などの負担をしなくてすみます。

ですから、できるだけ「扶養の範囲内」で働くという人が多いのです。ただし、ひとくちに「扶養の範囲内」といっても、実は下の図のようにいくつもの「壁」が存在します。

その中で夫婦2人の世帯手取り収入に大きく影響を与える壁と、与えない壁があります。ここで、気にするべきなのは「世帯の手取り収入に影響のある壁」。
具体的には★のついている「106万円」と「130万円」の2つです。

 夫が勤務先からもらえる「配偶者手当の壁」は、妻が扶養から外れて夫がもらえなくなると、世帯の手取り収入に影響大なのですが、最近は廃止する企業も増えてきているので、長い目で考えると「気にしなくていい壁」だと思います。

深田晶恵(ふかた・あきえ)ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である生活設計塾クルーのメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じてマネー情報を発信している。20年間で受けた相談は4000件以上、「すぐに実行できるアドバイスを心がける」のをモットーとしている。ダイヤモンドオンライン、日経WOMAN等でマネーコラムを連載中。主な著書に『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂6版』『平均寿命83歳!貯金は足りる?定年までにやるべき「お金」のこと』(ダイヤモンド社刊)『共働き夫婦のための「お金の教科書」』(講談社刊)ほか多数。