実質的に借金をしないインデックスファンド投資なら「絶対とは言わないけれども、決定的な失敗はしにくい」というのは事実なので、レバレッジ(実質的な借り入れによる投資リスクの拡大)を行わない方がいいというのは、一般向けに無難なアドバイスではある。

 しかし、リスク負担力に余裕があれば、NISAのメリットをより有効に使うために、レバレッジが掛かった運用商品に投資してみるのは理屈にかなった選択肢の1つだろう(注:くどいが、「誰にでも向いている」というわけではない)。

人的資本リッチ&金融資産貧乏の最適戦略は

 一般NISAができてから、「ジュニアNISA」「つみたてNISA」が相次いで始まった。率直に言ってジュニアNISAは使い勝手のよくない制度で普及が進んでいない。一方、つみたてNISAは地味に見えるものの、案外投資家にはいい制度であり、制度導入1年で約104万口座(2018年12月末)と、まずまず順調に普及している。

 つみたてNISAが想定する主な投資家層は、「長期的に資産形成を目指す若い人」のようだ(筆者は高齢者にも悪くない制度だと思うが、金融庁としては若い投資家がターゲットだと推測する)。「投資するまとまったお金はあまり持っていないけれども、資産を形成したいと思っている人」に対して、「投資はまとまったお金がたまってから始めるものではなく、お金のためはじめから投資をやっておくと結構いいものだ」というメッセージを伝えたいのだろうし、それは正しいアドバイスだ。

 さて、つみたてNISAが主なターゲットにしている若いサラリーマンのような「資産形成層」は、傾向として、(1)金融資産はまだ潤沢に持っていないが、(2)個人としては潤沢な「人的資本」を持っているという特徴がある。

 人的資本とは経済分析に使われる概念で、ある人の将来の稼ぎの期待値を現在価値に割り引いて評価したものの合計値だ。より正しい分析のためには、将来の必要支出の期待値も反映させるべきだと筆者は思うが、大雑把にいうと個人を株価のように評価したものだ。