エイズを引き起こすHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染していた英在住の男性が、幹細胞移植を受け完治した可能性があると研究者らが4日に発表した。HIV感染からの完治例として2人目になる可能性がある。男性は3年前、HIVに遺伝的な耐性を持つドナーから幹細胞移植を受けたが、詳しく調査したところ検出可能な規模のウイルスは確認されなかったという。成果は英科学誌ネイチャーに掲載された。男性は抗レトロウイルス薬の服用を20カ月前にやめていた。研究を主導したユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のラビンドラ・グプタ氏は、「男性の経過は良好だ」と述べている。このまま男性からHIVが検出されなければ、感染から完治した2例目となる。今回の結果により、約10年前に幹細胞移植を受けて完治した患者が特異なケースでなかったことが示されるため、実施された移植に基づく治療薬の開発に弾みがつくとグプタ氏は述べている。
HIV感染の英男性、幹細胞移植で完治か
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