――眠気が少ない薬は、効果も低いように思うのですが、どうでしょうか?

 かつてはそう言われた時もありました。しかし今は違います。第二世代後期の薬は、眠気が少ない一方で、効果も高いといえます。

 残念なのは、今でも第一世代の抗ヒスタミン薬を出している医師が、私が思っている以上にいることです。インターネットによる医師調査で明らかになった結果です。第一世代の抗ヒスタミン薬は眠気や口の渇きといった副作用だけでなく、この薬の服用によって眠りの質を下げることが明らかになっています。催眠作用を求めて第一世代を使う人もいると聞きますが、かえって眠りの質を下げることにつながるのでやめるべきだと考えます。

「貼るタイプ」花粉症薬も登場
夜に貼って朝の症状に備えることも

――昨年4月に発売した新タイプの薬はどういうものでしょうか?

 世界で初めての経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療剤で、商品名は「アレサガテープ(一般名:エメダスチンフマル酸塩貼付剤)」です。これまで抗ヒスタミン薬は飲む薬(経口薬)、点鼻薬しかありませんでした。しかし飲むのが苦手な人や、飲み薬では服用を忘れてしまう人などがいます。そこで開発・販売されたのが経皮吸収型、つまり貼るタイプの抗ヒスタミン薬なのです。食事による投与タイミングの制限がないのも特徴。アレルギー症状は一般的に朝出やすいと言われますが、夜から貼って朝の症状に備えるという使い方もできます。

 今は成人に対してのみ承認が下りていますが、飲み薬を嫌がるお子さんにも使えるのではないかと、今後は臨床試験が行われる見通しです。

――花粉症で苦しむ人に対して一言いただけますか?

 ここまで述べたように、花粉症の薬を適切に用いれば、症状はかなり抑えられます。また、貼り薬も登場し、治療の選択肢が増えました。花粉症には手術や免疫療法などの手段もありますが、手術はハードルが高く、免疫療法は治療期間が年単位と長く、かつ、どれだけ効果を得られるかは人それぞれで、治療が終わらないとそれが分かりません。花粉症の現実的な治療としては、薬物治療が最も大切だと考えています。

 かつては「花粉が飛散し始める2週間前から薬を服用しないと効かない」とも言われていましたが、今の薬は、飛散してから服用しても効果があります。それでも、飛散量が少ないうちから飲み始めた方が、花粉症の症状で苦しむ期間は短いことは間違いありません。まずは医療機関を受診し、どの症状に最も困っているかを医師に伝え、薬を処方してもらってください。