買収案件には機会と必要性の両方が絡むことがある。画像処理半導体(GPU)大手の米エヌビディアによる69億ドル(約7700億円)でのメラノックス・テクノロジーズの買収がまさにこれに当たる。一方では、エヌビディアが過去最大となる買収に踏み出したのは、同社が有利な立場にあることが背景となっている。創業26年のエヌビディアの株価はここ数年で急騰した。最先端データセンターに人工知能(AI)を導入する上で、GPUが鍵を握る電子部品となっているためだ。エヌビディアの売上高と利益はその間に大きく伸び、時価総額と手元資金も急拡大した。株式配当と自社株買いを着実に進めているにもかかわらず、2019年1月までの通期の手元資金は74億ドルと、過去5年で60%余り増加した。