高齢犬の介護で悩む人多数
無料の相談も好評

車いす制作中の川西さん。犬の個性やクセに合わせて精密に作るため、1日1台が限度だという

 工房スイーピーでは、車いすの製作だけでなく、無料でお客さんのペット相談にも乗っている。

「ワンちゃんが体調不良になって動物病院に行くと、獣医さんは、消化の良いものを食べさせてと言います。でも飼い主は、どんなエサをどう与えればいいのかわからない。具体的に教えてほしいんです。それでウチに相談に来られる方が増えてきました」

 最近は犬の高齢化が進んでおり、それが川西さん夫妻の大きな課題になっているという。高齢になると人間同様に認知症になる犬も多く、徘徊や夜鳴きといった症状が飼い主の悩みの種になっている。

「高齢犬になると、どうしても筋力が低下します。運動ができなくなり、そのために昼夜逆転などの症状が出てしまうんです。でも、車いすがあれば散歩に行けるし、適度な運動ができますので、夜も寝られるようになるんです」

 これまで何匹もの犬を育てて、見送ってきた川西さん夫妻。高齢犬介護の大変さは身に染みてわかると話す。

「高齢のワンちゃんの介護は、本当に大変です。食事や排泄もすべて飼い主さんがケアしなければなりません。病気になるのは仕方ないことですが、とはいえワンちゃんにも飼い主さんにも楽しく過ごしてもらいたい。そう私たちは考えています」

 仁美さんは、昨年から帝京科学大学で非常勤講師を務めている。将来、動物に関わる職業に就く学生を対象に家庭内看護学という科目を担当。家庭にあるもので簡単に動物の介護をする方法や、飼い主の負担を減らす方法をレクチャーしている。今後は大学だけでなく、犬のケアに悩んでいる方を対象に、より身近な講座を開いていきたいとも考えている。

「正直に言うと儲かっていません。でも、お金じゃないんです」と笑う川西さん夫妻。ペットが高齢になっても最期まで手放すことなく、一緒に生活を楽しんでほしい。そんな願いを込めて、今日もがんばっている。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))