中国のインターネットサービス大手テンセントホールディングスへの投資で知られるアフリカ最大の企業、ナスパーズが米シリコンバレーに足場を築いている。しかし、他の多くのハイテク投資会社と違い、次の大化け銘柄の発掘だけに集中しているのではない。同社は2016年、サンフランシスコにベンチャーキャピタルのナスパーズ・ベンチャーズを開設した。その狙いは、シリコンバレーのイノベーションやアイデアの流れに近づき、そうした知識を世界中での意思決定に応用することにある。同社は電子商取引(EC)企業への転身を進めている。イーベイ出身のラリー・イルグ氏が率いるナスパーズ・ベンチャーズは、昨年テンセント株の一部を売却して得た98億ドル(約1兆0916億円)を投資に回す意向だ。投資先から分かる通り、新興国市場で食品や教育や医療など消費者ニーズを満たす事業に力を入れている。