ウォロディミル・ゼレンスキー氏が、テレビの人気コメディー番組からウクライナの大統領レースのトップへと躍り出たことは、欧米諸国を当惑させている。欧米が支持し、5年間にわたりロシアとの消耗戦でウクライナを率いてきたリーダーが、彼に取って代わられようとしているからだ。コメディアンのゼレンスキー氏は、3月31日の大統領選挙第1回投票で、ペトロ・ポロシェンコ大統領のほぼ倍の票を獲得した。これは、欧州や米国で見られるような既成勢力の政治家に対する嫌悪感を反映している。決選投票は4月21日に行われる。米国と欧州連合(EU)は過去5年間、ウクライナがロシアの脅しを受けて再びロシアの衛星国になるのを防ぐため、ポロシェンコ氏と緊密に協力してきた。欧州諸国の当局者らは、ゼレンスキー氏がロシア政府と対峙(たいじ)し、ウクライナの親欧州路線を守ることができるかを懸念している。彼は公職に就いたことがなく、国家運営の計画や政権チームについても、詳細をほとんど明らかにしていない。ゼレンスキー氏は、対ロシア強硬路線とEUとの連携強化は約束している。
ウクライナの有力大統領候補、ロシアに対抗できるか
決選投票に残ったコメディアンのゼレンスキー氏に欧米から当惑の声
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