鉄道会社が提供するデータを駆使すれば、混雑や大遅刻を回避できる可能性があります。混雑や遅延は首都圏の鉄道にはつきもの。しかし、鉄道会社が提供している情報を駆使すれば、少しでも快適に通勤することができるはずだ Photo:PIXTA

新年度が始まった。新元号の発表と、平成のカウントダウン、そしてやってくる10連休と世間は高揚感に包まれているが、新入社員や転勤、転職で新しく通勤電車を使い始めた人たちは、早くも満員電車に疲れ果てているかもしれない。そのうち慣れると言われても、できるだけストレスなく通勤したいもの。今回は、東京圏の通勤を少しでも快適にする情報を紹介したい。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

鉄道会社のwebページで
混雑列車が確認できる

 まずは「混雑」をできるだけ回避する方法だ。重要なのは、ちょっとの不便と引き換えに快適さを手に入れるという割り切りだ。一番速い列車、出入口に近い車両など、誰もが使いたい便利なものは混雑する。しかし、10分余計にかかっても、あるいは100メートル余計に歩けば少しでも快適になるという選択肢があるのなら、とりあえず試してみようという気になるのではないだろうか。

 かつては、こうした「穴場」を見つけるには、時刻表を頼りにさまざまな時間、車両を乗り比べながら探すしかなかった。それが現在では、混雑分散化を目的とした国土交通省や東京都の働きかけもあり、鉄道事業者が情報公開をするようになってきている。

 こうした各社の取り組みは、東京都が旗振りする「時差Biz」の特設サイトにまとめられているが、残念ながら公表の方法や情報量がまちまちで分かりにくい。せっかくのデータなのだから、利用者に分かりやすく、アクセスしやすい情報提供を心掛けてほしいものだ。

 一番細かいデータを出しているのは東急電鉄だ。東横線、目黒線、田園都市線の朝ラッシュ時間帯上り方面の列車ごとの混雑状況を駅ごとに公表しているほか、webサイトの時刻表から全ての列車の号車ごとの混雑状況を確認することができる。

 東武鉄道(スカイツリーライン、東上線)や西武鉄道(池袋線、新宿線)、つくばエクスプレスは朝ラッシュ時間帯の列車ごとの混雑状況をターミナル駅到着時刻順にまとめており、号車別の混雑状況も記載している。京急も公式アプリで主要駅朝ラッシュ時間帯の列車ごとの混雑状況を公表している。以上の路線を利用しているのであれば、見ておいて損はないだろう。