このようなタイプの方に即効性があるのが「デッサン法」という方法です。これは、絵のデッサンと同じように、まずラフを描きます。次に、全体の枠組を描き、細かい描写はあとからゆっくり行うというやり方です。

 たとえば企画書を書く場合、1行目の書き出しから完成度の高いものにしようと思いがちですが、この考え方が先送りを招く悪の元凶です。そうではなく、頭から順にアプローチするのはやめて、全体の大まかなデッサンから始め、あとは時間が許す限り、葉っぱの産毛、枝葉末節まで書けばいいのです。この方法なら期限までに最低限、何かは必ず提出できます。

 これは、やってみるとわかりますが、はじめから身を生み出すのは難しい作業ですが、骨に身を足すのははるかに簡単です。デッサンを描いたあとに色をつけたほうが絵は描きやすのと同じ理屈です。

自分の力を過信して期限オーバー!「なんとかなるさ脳」

「私は仕事が速いから、今からやらなくても大丈夫…」「いつもの調子なら、前日にプレゼンの準備を始めても間に合うはすだ…」こうして自分の力を過信して先送りしてしまうというのも、よく見られる現象です。

 実は、こうしたタイプの先送りをしてしまう人の深層心理には、意外にも幼児期の親子関係が大きく影響していることもわかってきました。幼児期は、誰しも親に自分のことをきちんと見てかまってほしいと思うものです。しかし、親が試験の点数など子どもの表面的な部分しか関心を持たないと、心のうちに実態のない空虚な自信と欲求不満を抱え込みながら成長することとなります。そういう環境で育つと、大人になってからも現実にもワクワクするようなドラマチックな体験をして心の穴を埋めようとするのです。

 最近よくあるアルバイトの問題行動「バイトテロ」は、ほぼすべてこのタイプだと見ています。普通にバイトしているだけだと世間はかまってくれないから、表面的に目を引くことをやって動画を拡散してしまう。あれは「ヒーローになりたい願望」の現れであり、もっと言うと、幼児が親の愛情をつなぎとめるために困らせることを本能的に行う「試し行動」そのものなのです。

 このタイプの先送りを繰り返す脳には「メイクドラマ法」が効果的です。先ほど説明したように、このタイプの脳は常にドラマを求めているわけですから、それを逆手に取れば、無理なく楽しく先送りをなくすことができます。