炎上絵本作家は
この先どうなるのか?

 のぶみさんのこれまでの言動を見ていると、絵本作家として目立ちたいけれど、目立ち方がイマイチわかっていないのではないかと感じる。絵本作家としての資質はあっても、向かうべきところが「子ども」でないなら、どんなに目立っても、絵本の本質からは明らかにズレている。

 そして、のぶみさんが目立てば目立つほど、そのズレへの指摘も厳しくなる。そして今度はウソも加わって、いじめのような炎上が起こってくる。それが今の炎上絵本作家のぶみさんの状況ではないだろうか。

 炎上しながらも「新しい時代の絵本作家として活躍したい」本人の意欲を、あえて応援するとすれば、「子どものための本作り」を目指すことだろう。

 例えば、のぶみさんの『0さいまるごとひゃっか』(ひかりのくに)は、『がたん ごとん がたん ごとん』(作:安西水丸/福音館書店)のパクリと炎上しているが、内容自体は『しゅっぱつしんこう!』(作:三田村信行/絵: 柿本幸造/小峰書店)にも見られる一般的な展開で、パクリと言い切れるのかは難しい。

 だがそれよりも、気になるのはその中で描かれている新幹線を「ガタゴト、ガタゴト」と言葉で表現していることだ。子どもに言葉を伝えることは絵本作家の大切な使命だが、新幹線は本当に「ガタゴト」なのか?もしそうなら、その理由を含め、子どもたちの心が豊かになる言葉だと読者にわかる必要があるだろう。

 乱暴な言葉が多いと批判されるのぶみさんだが、「絵本では使ってはいけない言葉と言われたから」あえて使うということではなく、この本を読む子どもたちにどうして必要なのかを掘り下げていくことができれば、炎上ではなく新しい子どもの本の誕生が期待されるかもしれない。

 本は読まれることが大事だが、絵本を含めた子どもの本は、読後の「そこから先」がもっと大事で、それが大人の本とは決定的に違う部分だ。

 のぶみさんには、子育てや子どもの現実というリアルをプロットにする力があり、そこが大人を惹きつける。だが、子どもを対象とする絵本作家を目指すのであれば、同じリアルでも「そこから先」の真実が子どもたちに届くように見識を広げ、炎上ではなく議論として新しい炎を子どもの本の世界で燃やしてほしいと願う。

(まついきみこ@子どもの本と教育環境ジャーナリスト/5時から作家塾®)