米国人は繰り返し熱狂的ブームのえじきとなり、すぐに熱が冷める。例えば、キックボードがそうだ。アウターとして着るアンダーウエア。ビットコイン。パンの移動販売車のような形の車。マカレナ。タエボー。コンブチャ(紅茶キノコ)の大量摂取で潰瘍が治ると本気で信じること。さらにスムーズジャズ。このリストに、恐らく最もたちの悪いブームの1つを加えるべきだろう。いま世の中がとりつかれている「片付け」だ。片付けは、多くの物を持ちすぎると人生が複雑になり、本当にやりたいことができなくなるという怪しげな見解に基づいている。あの不要なCDを全て処分しさえすれば、決して読むことがない書籍も、ほとんど袖を通したことがない衣服も全部なくなれば、われわれの精神エネルギーが解放され、減量でも中国語の勉強でも楽々と進み、子供たちとの関係が改善し、裕福にもなれる。われわれ自身と本当にやりたいことを唯一隔てているのは、所有物との決別なのだ。
さらば片付け、乱雑さは天才への道
チャーチルもキュリー夫人もガラクタを糧に成功した
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