成田空港空港経営では着陸料や施設使用料の他に、ターミナルでの物販・飲食や免税品販売が重要視されている。訪日客が増えるとこれらの非航空系収益が増えることも、成田空港が将来LCC割合を50%に高めると表明している理由の一つだ Photo:123RF

アジアの航空市場が拡大する中、空港間競争が白熱している。日本の地方空港は民営化ラッシュを迎え、羽田空港は2020年に発着枠を拡大する。長く「日本の玄関」だった成田空港は“地盤沈下”に危機感を募らせている。(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)

 中国最大手LCC(格安航空会社)春秋航空の日本法人である春秋航空日本は、4月25日に成田~中国・寧波線を開設した。最安値の運賃は片道5100円。「着陸料が安くなった分をお客さまに還元したい」と王〓(火に韋)(ワン・ウェイ)会長は破顔一笑する。実はこの路線、航空会社が空港に払う着陸料が無料になっている。

 成田国際空港は早朝時間帯の利用を促進すべく、早朝出発便を対象に新インセンティブ制度「朝発ボーナス」を4月にスタート。午前6時から8時台に出発する新規路線(国際線の場合。国内線は午前6時から7時台)の着陸料が最大3年間、半額~全額無料になる。

 春秋日本の寧波線は国際線適用第1号。これにより、同路線は3年間で約1億5000万円もコスト低減ができる見込みだ。

 成田は“朝活”促進に加え、“夜活”も始まる。10月末から運用時間を午前0時まで1時間延長するものだ。