一口にオフィス家具大手と言っても、各社の強みは異なる。最大手のコクヨは、1905年に大阪で創業し、和式帳簿の製造を始めた。60年からオフィス家具の製造販売を開始し、紙から鉄へ移行。2001年にはオフィス用品のネット通販「カウネット」を立ち上げ、競合他社のアスクル、たのめーる(大塚商会)に次いでシェア3位につけている。また、渋谷ヒカリエ内のコワーキングスペース「MOV」を手掛けたのも同社だ。
同社の強みは、何といってもステーショナリー(文房具)事業だ。そのため、最近のオフィスニーズに合わせた文房具開発ができる。その上、自社のオフィスに置き、実際に社員に使ってもらうことでマーケティングもできるため、まさに一石二鳥だ。
最近では、パソコンなどビジネスツールをどこでも持ち運べる「もちはこ」シリーズを、今年2月に発売。同社のオフィス内でも社員が利用している姿が見られた。「自分たちでトライアンドエラーを繰り返し、その結果をお客さまと共有します」(同社ファニチャー事業本部の海老澤秀幸氏)。
同社の売上高は13年の2880億円から18年には3151億円になり、営業利益はこの期間で3倍近くまで伸ばしている。