街を歩くと、画像のようなテナント募集の看板を見掛けることがある。空室率が低いとはいえ、ゼロパーセントというわけではない。立地や賃料、機能によっては埋まらないビルもある。

 とはいえ、現時点では全体的に二次空室リスクは低い。東京都心5区以外でも、二次空室が生じたとしても、そのビルに入居する企業が業容拡大などで館内増床し、たちまちフロアが埋まるという。「空室情報が表に出る前に入居が決まるケースがかなり増えた」と不動産関係者は口をそろえる。

 そんな中、複数の関係者が気にしているのが「晴海アイランドトリトンスクエア」の動向だ。

 このビルは01年に竣工し、W棟、X棟、Y棟、Z棟の4棟のオフィスビルの他に商業施設などで構成される。このうちY棟には、大手商社の住友商事の本社があったが、16年に中国系のイデラキャピタルマネジメントが住友商事からフロアを過半数取得。18年、住友商事は同年竣工の大手町プレイスイーストタワーに移転したことで、大きな二次空室が生じた。