防犯パトロールとランニングを兼ねた「パトラン」の取り組みが全国各地で広がりつつあるのをご存じだろうか。始めたのは、海岸のゴミ拾い活動を続けていた男性だ。なぜこの活動が始まったのか、どんなふうに続いているのか。自身もパトランに参加しているライターが紹介する。(取材・文/フリーライター 麓 加誉子)
赤いシャツと
腕章のランナーに注目!
街中で、赤いシャツの背中に「Patrol Running」と書かれたランナーを見かけたことはないだろうか。黄色の腕章には「走って防犯!」と書かれている。「こんにちは!」あるいは「おはようございます!」「こんばんは!」と挨拶(あいさつ)をしながら彼らは走る。
彼らの名前は「パトランナー」という。パトロールしながらランニングする「パトロールランニング」、略して「パトラン」という防犯チームのメンバーである。
彼らはいつだって走る。多いのは子どもたちの登下校時間帯と夜だが、それ以外の時間帯も走っている。複数で集まって走ることもあれば、単独で走ることもある。そして、いつだって顔をしっかり上げて周囲を広く見渡している。危ないことはないか、困っている人はいないか、「パトロール」しているのだ。
パトランは
「防犯ボランティアチーム」
パトランとは、防犯を目的としたボランティアを行う市民活動団体である。活動内容は大きく分けて4つ。(1)合同パトラン、(2)個人パトラン、(3)星屑(くず)作戦(ゴミ拾い)、(4)パトレポ(パトロールレポート)。どの活動も、直接的、あるいは間接的に防犯に役立ちたいという意識に基づいている。
例えば「合同パトラン」は、日時を決めて集まって走る。複数で走ることで目立ちやすく、パトロールの効果も上がる。一方、「個人パトロール」は、生活の中のすきま時間をパトロールにあてることができる。