米中貿易協議の行き詰まりが米農業地帯の低迷に輪をかけている。農家の間では、トランプ政権がまとめようとしている支援策では経済的打撃を補うことができないとの見方が多い。農業は米産業分野の中でも、対中貿易摩擦の激化により特に大きな痛手を受けている。中国との交渉が決裂したことで、農家は1980年代以来最も深刻な農業経済の低迷が長引きかねない事態に直面している。ソニー・パーデュー米農務長官によれば、中国と合意できなかったため、同省は総額150億〜200億ドル(約1兆6500億〜2兆2000億円)規模の農家支援プログラムをまとめようとしている。今回の貿易摩擦が始まってから2度目の支援策になる。全国農業者組合(NFU)のロジャー・ジョンソン組合長は「政権が追加支援を検討していることはありがたいが(中略)そうした一時的解決策は貿易戦争が農業の輸出市場に及ぼした恒久的な打撃に対処するには不十分だ」と指摘した。