前出の池田さんは話す。

「高齢者になると、視力や運動能力が大きく低下する人が多く、ちょっとした身のこなしが必要な現場でけがをしてしまい、重労働になると簡単にけがをしてしまいます。高齢者は心疾患や高血圧などの持病を持つ人もいて、長時間労働になると死につながりやすいのです」

 実際には、シニアの働く現場ではどんな事故が多いのか。中央労働災害防止協会が、16年の労災について50歳未満と50歳以上に分けて、死傷病事故の種類別に千人あたりの発生率を調べた。50歳以上では転倒の数値が極めて高く、それに次いで墜落・転落も高い数値となっている。「老化は脚から」ともいうように、加齢に伴う脚筋力の低下が著しいことを物語っている。

死傷病事故別の年千人率(週刊朝日2019年5月24日号より) 拡大画像表示

 これからの季節は、熱中症にも注意が必要。運動による発汗量は加齢によって低下するとされ、シニアは体熱を発散しにくいからだ。また、持病で服用している薬によっては、発汗抑制作用があったり、脱水を引き起こしやすい成分が含まれていたりする。