ドナルド・トランプ米政権は農業セクター向けに160億ドル(約1兆7500億円)規模の支援策を発表した。中国との貿易摩擦で農家が被る損失を埋め合わせる目的で、主として農家へ直接支払う形となる。米中貿易交渉は今月に入り暗礁に乗り上げている。14億人の人口を抱える中国市場への米国農家の穀物輸出が滞るとの見方を背景に、商品(コモディティー)価格は約10年ぶりの安値に沈んでいる。ソニー・パーデュー農務長官は、「中国との通商合意がまたも決着せず、農家がその影響を被ると(トランプ氏は)分かっているため」、トランプ氏が農務省に対して支援計画の策定を指示したと説明した。さらに、「農家自身は、支援より貿易を望むと言うだろう」とした上で、それでも合意がない中では「支援が必要になる」と述べた。