高値で買ってもさらに高値でつかむ人が現れると考える「大ばか理論」の問題は、大ばかが現れないケースがあることだ。その例が、シリコンバレーで最も有名な一部のユニコーン(企業価値が10億ドル以上の未上場企業)に対する今年の株式市場の反応だ。最初は配車サービス会社のリフトだ。3月のIPOでの評価額は約240億ドルだった。株価はその後急落し、現在の時価総額は約200億ドルだ。それからピンタレスト。4月のIPO以来の値動きは少しましだが、未上場当時の最後の資金調達での評価額より低く設定されたIPO価格に助けられた面もある。そしてウーバーだ。昨年遅くにはIPO時の評価額が1200億ドルにも達すると投資銀行筋からはやされていたが、実際には約820億ドルだった。今月初旬のIPO以来、株価は下落しており、現在の時価総額は約740億ドルとなっている。