先週の総選挙で圧勝したことで、インドのナレンドラ・モディ首相は強力な政府を築くことになるのだろう。だが、その後に堅調な株式市場が続くとは限らない。出口調査でモディ氏の当選が確実と判明した5月20日以降、インド株は過去最高値に上昇している。新興国市場全体の指標となる株価指数は年初来2%高にとどまっているのに対し、S&P BSE100指数は年初来10%高に達した。2018年にはインド株に背を向けた外国人投資家が、今年は買い越しに転じている。モディ氏率いる与党は連立のパートナーなしに単独で過半数議席を獲得した。これは現職の首相としては約50年ぶりのことだ。そのため公約である経済改革の実行には国民の強い支持を受けたことになる。それでも、モディ氏は問題に直面する可能性がある。インドの農業と銀行セクターの改革は、インフラ投資や農家に対する補助金の支給よりも大きな困難を伴うだろう。同国の経済成長が減速し、失業率が上昇している中ではなおさらだ。