図では、職種や業種ごとに、機械に代替されるルーティン業務の存在比率(ルーティン業務の密度、RTI:Routine Task Intensity )を数値化し、「RTIレベル」としている。

 そして、その職種や業種で、ルーティン業務をしている男性と女性の比率の差を「RTIギャップ」としている。

 また、職種や業種の円の大きさは、それぞれの職種や業種で働く人の数の多さを示し、また円の色が濃くなるほど女性労働力の割合が高くなっている。

 例えば、職種でみると、専門職は機械に代替されるルーティン業務の比率が低い一方、男女比はほぼ1に近いのに対して、事務職はルーティン業務の比率が高く、ルーティン業務をしている男女比は女性が高い。

 業種でみれば、健康や教育では、ルーティン業務が多く残っていて、機械に代替されるリスクが大きい。RTIギャップ(男女比)はほぼ1に近いので、男性と女性がほぼ同じようにルーティン業務をしているが、就業者数全体やその中での女性労働力の比率が高いので、女性が職を失うリスクが高いといえる。

 デジタル経済で、女性の働き手が厳しい状況に置かれやすいことを示した論文をもう2点、紹介しよう。

 1つ目は、オックスフォード大学のリンダ・スコット(Linda Scott)教授が2018年2月26日に発表した「ジェンダー平等と第四次産業革命(Gender Equality and the Fourth Industrial Revolution)」である。

 スコット教授は、2015年に雑誌『プロスペクト』による「世界思想家トップ25人」に選ばれた実績を持つ(Professor Scott was selected as one of the Top 25 Global Thinkers by Prospect magazine in 2015)。

 この論文の結論だけを紹介すると、仕事を失う女性の数が男性の5倍である、としている。
 
 2つ目の論文は、ダボス会議を主催しているWEF(World Economic Forum 世界経済フォーラム)が執筆したもので、「産業のジェンダーギャップ:第四次産業革命における女性と労働」(2016年1月)と題されたものである。

 この論文の結論だけを紹介すると、今後のデジタル技術の進展により、男性は、1人の雇用増に対して3人が職を失うのに対して、女性は1人の雇用増に対して5人が職を失うというものだ。