30年前、北京の天安門広場を横切る巨大な戦車の列の行く手を遮ろうと、ある男性がその前方に立ちふさがった。6月4日の流血の惨事が起こきた翌日のことだ。男性の身元は今でも分かっていない。だがその名もなき男性の反逆を物語る写真は、世界中で権力者への抵抗を表す象徴となった――中国を除いては。中国では検閲され、国民の記憶から消えつつある。  中国のソーシャルメディア上では、その「戦車男」の写真は徹底して削除されているもようだ。