いびきが高血圧やうつ病に
つながるメカニズムは?

 酒を飲むと、いつにもまして大きないびきをかいてしまう…という人も多いだろう。これは飲酒による筋肉の弛緩で、舌が自然と下がり気道を狭くするというメカニズムに起因している。いずれにせよ口蓋垂が振動しやすい状況が作られてしまうと、いびきは発生するわけだ。

 いびき自体は身体の不調ではなく、あくまで生活習慣や体質の個人差。しかし、だからといって、安心していびきを放置することは「寿命を縮める」と都筑先生は警鐘を鳴らす。

「あれだけ大きな音を常に出すわけですから、いびきは体力を使う行為なんです。睡眠中にいびきをかくとそれだけ身体にストレスがかかり、血圧が上がってしまいます。さらに、そのストレスを和らげるために分泌されるステロイドホルモンは、出過ぎると血糖値を上昇させる作用を持つ。つまり、いびきをかき続けていると、糖尿病を引き起こす可能性があるのです」

 いびきをかく人は、かかない人に比べて就寝中に無駄な体力を使っており、結果的に高血圧や糖尿病を招く要因の1つとなるのだ。前述の「睡眠時無呼吸症候群」にいたっては、酸素の供給が一時的に止まることで脳が酸素不足になるというダメージが蓄積され、認知症のリスクを高めるといわれている。さらに就寝中にかかったストレスは、日中の精神状態にも大きく影響するという。

「寝ても寝ても眠気がとれない、目覚めが悪い…そんな症状を抱える人は、もしかしたらいびきが関係しているかもしれません。いびきをかくことで就寝中も体はしっかり休めず、それが翌日の眠気や集中力の低下につながります。身体がだるいから気分も落ち込む。いびきを放っておくと、うつ病や不安障害などの合併率も高いことが調査でわかっています」