昨年、セキュリティー新興企業のゼロフォックスは、ある著名人のソーシャルメディア(SNS)の偽アカウントのプロフィルが何か変だと気づいた。プロフィル写真の顔一面に雪をふりかけたような白いドットがあった。恐らくコンテンツ・フィルターの目を欺くためであることが疑われた。フェイスブックなどのSNSは有名人の模倣アカウントを見つけ出すためにこうしたシステムを使っている。同社のエンジニアはこの写真が新手のデジタル・カムフラージュ(時に「敵対的攻撃」と呼ばれる)の一例だろうと考えた。人間の目には普通の写真に見えても、画像認識システムが誤って分類するような方法で修正を加えることだ。世界中の企業や政府が画像認識技術の導入を急いで進める中、こうした手口はセキュリティー上のリスクを生じる可能性がある。画像認識ソフトはSNSのフィルタリングに利用されるほか、セキュリティーシステムや自動運転車、その他多くの場所で使われており、このような不審な手法は画像認識を利用したシステムが不正の標的になるのをいかに防ぐかという課題を突きつける。