控えめなインフレは米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げする理由にならないかもしれないが、利下げをしやすくするのは確かだ。労働省が12日に発表した5月の消費者物価指数(CPI)はエコノミスト予想を下回る伸びにとどまった。総合CPIは前年同月比1.8%の上昇(予想は1.9%)、物価変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIが同2%(予想は2.1%)だった。FRBが重視するインフレ指標は労働省の指標よりも少し低いため、5月のインフレ率は目標の2%に満たなかったとみられる。ゴールドマン・サックスのエコノミストは、総合が1.4%上昇、コアが1.5%上昇だったと推計している。これは問題だ。FRB当局者はここにきてインフレ目標未達についての懸念を以前よりも強めているからだ。彼らは政策決定方法の見直しを続けている。インフレ率を上昇させ過ぎて失敗する方がましだとの結論に至るかもしれない。
来週のFOMC、7月利下げのシグナル発信か
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