2016年10月の「EV事業企画室」は、2018年11月に「トヨタZEVファクトリー」に発展した。寺師副社長も「当初は4人でスタートし、現在290人体制となった」と言う。これに2017年10月にEV基盤技術合弁会社である「EV CAスピリット」(社長を寺師トヨタ副社長が兼ねる)をマツダやデンソーとともに設立している(ここにはダイハツ・日野・スバル・スズキ・ヤマハ・いすゞも加わり、各社から選任エンジニアが出向し、EVコモンアーキテクチャーを共同開発している)。

 すでにEV専用のe-TNGAのEVユニット・モジュールを開発しており、スバルとはミディアムSUVの専用EVユニットを共同企画、スズキとダイハツとはコンパクトEVを共同企画している。

 一方、EVのコアである電池の開発・供給については、次世代電池の本命といわれる全固体電池の開発を急ぐとともに、従来のEV市場見込みを大幅に上回るペースで電池の需要が拡大している(2025年には現状の約20倍へ)ことから、電池調達および協業体制づくりを世界で広げる。

 従来からのパートナーであるパナソニックとPEVE(プライムアースEVエナジー、パナとの合弁)に加えて、先述したように世界最大手電池メーカーである中国CATLとの提携や中国BYDに、日本のGSユアサ、東芝(インドでスズキと連動して電池を供給)といった電池各社と協業し調達先を拡大することで、電動車の急速な普及に対応していくことになる。

 EV戦略を一気に加速することについて、トヨタは環境性能を走行時だけでなく、発電所などの源流にさかのぼって評価する「ウェル・ツー・ホイール(油田から車輪へ)」の観点で、ゼロ・エミッション車のステップとすることも強調している。

 EV事業化において、EV車両の開発、電池の安定的供給や耐久性能の向上、使用後のリユースなど多面的なパートナーづくりで新しいビジネスモデル構築が急務としている。

(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)